本記事では、2024年最新の通信・ソフトウェア業界の動向を徹底解説します。サービス・インフラ分野の仕組みや現状、関連職種を詳しく紹介し、業界全体の最新トピックスもお届けします。5G、AI、クラウドコンピューティングなど、急速に進化するIT技術の最前線を理解できます。就職・転職を考える方や、ビジネスパーソンにとって必読の内容です。この記事を読めば、通信・ソフトウェア業界の全体像と将来性が把握でき、キャリア選択や事業戦略の参考になるでしょう。
サービス・インフラの業界研究
サービス・インフラ業界は、現代社会の基盤を支える重要な分野です。この業界は、情報通信技術(ICT)を中心に、私たちの日常生活やビジネスに不可欠なサービスとインフラストラクチャーを提供しています。
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、サービス・インフラ業界はますます注目を集めています。5G通信、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの技術革新により、業界は急速に変化し、成長を続けています。
サービス・インフラ業界の主要分野
サービス・インフラ業界は、主に以下の分野で構成されています:
1. 通信事業
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの大手通信キャリアが中心となり、モバイル通信、固定回線、インターネットサービスを提供しています。5Gの普及により、高速・大容量の通信インフラが整備され、新たなサービスの創出が期待されています。
2. ソフトウェア開発
企業向けの基幹システムから、スマートフォンアプリまで、幅広いソフトウェア開発が行われています。日本のソフトウェア企業には、富士通、NEC、日立製作所などの大手IT企業から、サイボウズ、フリーなどの新興企業まで多様な企業が存在します。
3. クラウドサービス
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなどのグローバル企業に加え、さくらインターネット、ニフクラなどの国内企業もクラウドサービスを提供しています。企業のクラウド活用が進む中、この分野は急成長を遂げています。
4. データセンター
大量のデータを安全に保管・処理するためのデータセンターの需要が高まっています。NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンクなどの通信事業者や、専業のデータセンター事業者が、高度なセキュリティと安定性を備えたファシリティを運営しています。
5. サイバーセキュリティ
デジタル化の進展に伴い、サイバーセキュリティの重要性が増しています。トレンドマイクロ、カスペルスキー、シマンテックなどのセキュリティベンダーが、企業や個人向けのセキュリティソリューションを提供しています。
サービス・インフラ業界の特徴
サービス・インフラ業界には、以下のような特徴があります:
1. 技術革新の速さ
ICT分野は技術革新のスピードが非常に速く、常に新しい技術やサービスが生まれています。企業は継続的な研究開発と人材育成が求められます。
2. グローバル競争
日本国内の市場だけでなく、グローバル市場での競争が激しくなっています。特にソフトウェアやクラウドサービスの分野では、海外の巨大IT企業との競争が避けられません。
3. 規制と標準化
通信やインターネットの分野では、国際的な規制や標準化の動きが重要です。企業は、これらの動向を注視しながら事業展開を行う必要があります。
4. セキュリティとプライバシー
デジタル化が進む中、情報セキュリティとプライバシー保護の重要性が増しています。企業は、法令遵守と高度なセキュリティ対策の両立が求められます。
サービス・インフラ業界の課題と展望
サービス・インフラ業界は、以下のような課題に直面しています:
1. 人材不足
ICT人材、特に高度なスキルを持つエンジニアの不足が深刻化しています。企業は、人材の確保と育成に注力する必要があります。
2. 環境負荷の低減
データセンターや通信設備の消費電力削減など、環境負荷の低減が課題となっています。再生可能エネルギーの活用や省エネ技術の導入が進められています。
3. デジタルデバイド
高齢者や地方部における情報格差(デジタルデバイド)の解消が求められています。企業は、誰もが利用しやすいサービスの提供や、地域に根ざしたインフラ整備に取り組んでいます。
一方で、サービス・インフラ業界には、以下のような将来性があります:
1. DXの加速
企業のDX推進に伴い、クラウドサービスやAI、IoTなどの需要が拡大すると予想されます。サービス・インフラ企業にとって、大きなビジネスチャンスとなるでしょう。
2. 5G/6Gの普及
5Gの本格普及と、将来的な6Gの実用化により、新たなサービスやビジネスモデルが創出されると期待されています。自動運転や遠隔医療など、様々な分野での活用が見込まれます。
3. スマートシティの実現
ICTを活用したスマートシティの構築が各地で進められています。サービス・インフラ企業は、都市インフラの効率化や新たな市民サービスの提供に貢献することができます。
サービス・インフラ業界は、社会のデジタル化を支える重要な役割を担っています。技術革新とニーズの変化に柔軟に対応しながら、持続可能な成長を実現することが求められています。
サービス・インフラとは
サービス・インフラとは、情報通信技術(ICT)を基盤とした産業分野を指します。この分野は、ソフトウェア開発、インターネットサービス、通信ネットワークの構築・運用などを包括しています。現代社会のデジタル化を支える重要な役割を果たしており、私たちの日常生活や企業活動に不可欠な存在となっています。
ソフトウェア産業
ソフトウェア産業は、コンピュータプログラムの開発・販売を主な事業とする分野です。オペレーティングシステム(OS)、業務用アプリケーション、モバイルアプリ、ゲームソフトなど、多岐にわたる製品を生み出しています。日本では、NTTデータ、富士通、日立製作所などの大手IT企業が主要プレイヤーとして知られています。
インターネット関連サービス
インターネット関連サービスは、ウェブサイトの運営やオンラインプラットフォームの提供を中心とした産業です。検索エンジン、SNS、Eコマース、動画配信サービスなどが含まれます。国内では、楽天、Yahoo! JAPAN、LINEなどが代表的な企業として挙げられます。
通信インフラ
通信インフラは、電話回線、光ファイバー、携帯電話網など、情報を伝達するための基盤設備を指します。NTT、KDDI、ソフトバンクなどの大手通信事業者が、この分野で主導的な役割を果たしています。5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴い、さらなる技術革新と設備投資が進められています。
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングは、インターネットを通じてコンピューティングリソースを提供するサービスです。Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどのグローバル企業が市場を牽引していますが、日本でもさくらインターネットやNTTコミュニケーションズなどが独自のクラウドサービスを展開しています。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティは、デジタル社会の安全を守るための重要な分野です。ウイルス対策ソフト、ファイアウォール、暗号化技術など、様々な製品やサービスが提供されています。トレンドマイクロ、カスペルスキーなどのセキュリティ専業企業に加え、大手IT企業も積極的に参入しています。
人工知能(AI)と機械学習
AIと機械学習は、サービス・インフラ分野の最先端技術として注目を集めています。画像認識、自然言語処理、予測分析など、幅広い応用が期待されています。国内では、PKSHA Technology、Preferred Networks、ABEJA、レトリバなどのAIベンチャー企業が台頭しています。
IoT(Internet of Things)
IoTは、様々なモノをインターネットに接続し、データを収集・分析する技術です。スマートホーム、工場の自動化、農業IoTなど、多様な分野で活用されています。ソニー、パナソニック、オムロンなどの電機メーカーが積極的にIoT事業を展開しています。
サービス・インフラ分野は、技術革新のスピードが速く、常に新しいトレンドが生まれています。企業は、これらの技術を活用して新たな価値を創造し、競争力を維持・向上させることが求められています。また、この分野は他の産業のデジタル化も支援しており、社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する重要な役割を担っています。
サービス・インフラの仕組みと流れ
サービス・インフラの仕組みと流れは、通信・ソフトウェア業界の根幹を成す重要な要素です。この分野は、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、そしてユーザーインターフェースが複雑に絡み合って機能しています。
基本的なインフラストラクチャー
サービス・インフラの基盤となるのは、物理的なネットワーク設備です。これには、光ファイバーケーブル、通信タワー、データセンターなどが含まれます。NTTやKDDIなどの大手通信事業者が、この基本インフラの大部分を所有・管理しています。
データセンター
データセンターは、サーバーやストレージデバイスを集中管理する施設です。例えば、さくらインターネットやAmazon Web Services (AWS) が提供するクラウドサービスは、こうしたデータセンターを基盤としています。これらの施設は、高度なセキュリティと冗長性を備え、24時間365日の安定稼働を実現しています。
ネットワーク接続
インターネットサービスプロバイダー(ISP)は、この基本インフラを利用してエンドユーザーにインターネット接続サービスを提供します。OCNやBIGLOBEなどが代表的なISPです。彼らは、光回線やADSL、モバイル回線などを通じて、家庭や企業にインターネット接続を提供しています。
ソフトウェアレイヤー
物理的なインフラの上に、様々なソフトウェアレイヤーが存在します。これらは、ネットワークの制御からアプリケーションの実行まで、幅広い機能を担っています。
オペレーティングシステム(OS)
OSは、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しをする重要な役割を果たします。Windows、macOS、Linuxなどが代表的なOSです。特に、サーバー向けのLinuxディストリビューションは、多くのウェブサービスのバックエンドで使用されています。
ミドルウェア
ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間に位置し、データベース管理やアプリケーションサーバーの機能を提供します。Oracle DatabaseやIBM WebSphereなどが有名です。これらのソフトウェアは、大規模なシステムの安定運用に不可欠です。
アプリケーション
最終的にユーザーが直接利用するのが、アプリケーションソフトウェアです。ウェブブラウザ、メールクライアント、オフィスソフトなどが含まれます。また、スマートフォン向けのアプリも、この層に属します。LINEやPayPayなどの人気アプリは、複雑なバックエンドシステムと連携して機能しています。
クラウドコンピューティング
近年、サービス・インフラの重要な部分を占めているのが、クラウドコンピューティングです。これは、インターネットを通じてコンピューティングリソースを提供するモデルです。
IaaS (Infrastructure as a Service)
IaaSは、仮想化されたコンピューティングリソースをインターネット経由で提供するサービスです。AWSのEC2やMicrosoft Azureの仮想マシンなどが代表例です。企業は、これらのサービスを利用することで、物理的なサーバーを自社で管理する必要がなくなります。
PaaS (Platform as a Service)
PaaSは、アプリケーション開発・実行のためのプラットフォームをクラウド上で提供するサービスです。HerokuやGoogle App Engineなどが有名です。開発者は、インフラストラクチャの管理を気にせずにアプリケーションの開発に集中できます。
SaaS (Software as a Service)
SaaSは、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスモデルです。Salesforceやクラウド版のMicrosoft Officeなどが代表的な例です。ユーザーは、ソフトウェアのインストールや管理を行う必要がなく、ブラウザを通じてサービスを利用できます。
セキュリティとプライバシー
サービス・インフラの重要な側面として、セキュリティとプライバシーの保護があります。サイバー攻撃や情報漏洩のリスクに対応するため、様々な技術や対策が実装されています。
暗号化
データの機密性を保護するため、通信の暗号化が広く採用されています。SSLやTLSプロトコルにより、ウェブサイトとユーザー間の通信が暗号化されます。また、エンドツーエンドの暗号化を採用するメッセージングアプリも増えています。
ファイアウォール
ネットワークの境界を保護するため、ファイアウォールが使用されています。これにより、不正なアクセスや攻撃を防ぐことができます。最近では、次世代ファイアウォール(NGFW)が登場し、より高度な脅威にも対応できるようになっています。
多要素認証
ユーザー認証の強化のため、多要素認証が広く採用されています。パスワードに加えて、スマートフォンのアプリや生体認証などを組み合わせることで、セキュリティが大幅に向上します。
今後の展望
サービス・インフラは、技術の進化とともに常に変化しています。5Gの普及やIoTデバイスの増加により、ネットワークの重要性はさらに高まると予想されます。また、AI技術の発展により、より高度な自動化や最適化が可能になるでしょう。
エッジコンピューティングの台頭も注目されています。これにより、データ処理の一部をエンドデバイスの近くで行うことができ、レイテンシの低減やプライバシーの向上が期待されます。
さらに、量子コンピューティングの実用化に向けた研究も進んでおり、将来的にはこれがサービス・インフラに革命をもたらす可能性があります。
このように、サービス・インフラの仕組みと流れは、技術の進化とユーザーニーズの変化に応じて、常に発展を続けています。企業や開発者は、これらの変化に柔軟に対応しながら、より効率的で安全なサービスの提供を目指していく必要があります。
サービス・インフラの現状
サービス・インフラ業界は、日本のデジタル化推進に伴い急速な変化を遂げています。ソフトウェア、インターネット、通信の3つの分野において、技術革新と市場ニーズの変化が相互に影響し合い、業界全体の動向を形作っています。
ソフトウエア
ソフトウェア分野では、クラウドコンピューティングの普及が大きな転換点となっています。従来のパッケージソフトウェアからSaaS(Software as a Service)モデルへの移行が加速しており、企業のIT投資の形態も変化しています。
特に注目されているのが、AI(人工知能)と機械学習を活用したソフトウェア開発です。これらの技術は、ビッグデータ分析、自然言語処理、画像認識など幅広い分野で応用され、新たな価値創造を可能にしています。
また、オープンソースソフトウェアの活用も拡大しており、GitHubなどのプラットフォームを通じて、開発者コミュニティの協力関係が強化されています。これにより、イノベーションのスピードが加速し、高品質なソフトウェアの迅速な開発が可能となっています。
インターネット
インターネット分野では、5Gの商用化に伴い、通信速度と容量の大幅な向上が実現しています。これにより、IoT(Internet of Things)デバイスの普及が加速し、スマートホーム、スマートシティ、コネクテッドカーなど、様々な分野でインターネットの活用が進んでいます。
eコマース市場も引き続き拡大しており、特にモバイルコマースの成長が顕著です。Amazon、楽天、ヤフーなどの大手プラットフォーマーに加え、Instagram、TikTokなどのSNSを活用したソーシャルコマースも台頭しています。
さらに、ブロックチェーン技術を活用した分散型インターネットサービス(Web3.0)の開発も進んでおり、従来の中央集権型サービスに代わる新たなビジネスモデルの創出が期待されています。
通信
通信分野では、5Gネットワークの整備が急ピッチで進められています。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社に加え、楽天モバイルも参入し、競争が激化しています。5Gの特徴である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」を活かしたサービスの開発が各社で進められています。
また、ローカル5Gの導入も進んでおり、工場や病院、スタジアムなど特定のエリアでの高度な無線通信環境の構築が可能となっています。これにより、製造業におけるスマートファクトリーの実現や、遠隔医療の高度化などが期待されています。
固定通信の分野では、光ファイバー回線の普及が進み、高速インターネット接続が一般化しています。さらに、衛星インターネット事業にも注目が集まっており、SpaceXのStarlinkやOneWebなどの海外企業の参入に対し、日本企業も追随する動きを見せています。
通信インフラの進化に伴い、クラウドゲーミングやVR(仮想現実)、AR(拡張現実)を活用したサービスも拡大しています。これらのサービスは、エンターテインメント分野だけでなく、教育や医療、製造業など幅広い分野での応用が期待されています。
さらに、サイバーセキュリティの重要性も増しており、通信事業者はネットワークの安全性確保に向けた投資を強化しています。特に、IoTデバイスの増加に伴うセキュリティリスクへの対応が課題となっています。
このように、サービス・インフラ業界は技術革新とデジタル化の波に乗り、急速に変化し続けています。今後は、5GやAI、IoTなどの先端技術を融合させたサービスの創出や、持続可能な社会の実現に向けたグリーンIT、エネルギー効率の高いデータセンターの構築など、新たな課題への取り組みが求められています。
サービス・インフラに関連する職種を紹介
通信・ソフトウェア業界には、多様な職種が存在します。ここでは、主要な3つの分野における代表的な職種を紹介します。
ソフトウエア
ソフトウェア分野では、様々な専門性を持つ職種が活躍しています。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、顧客の要望に基づいてシステムの設計や開発を行います。業務フローの分析やシステム構築の提案、プロジェクト管理など、幅広い業務を担当します。
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアの設計に基づいて実際にプログラムを作成します。Java、C++、Pythonなどのプログラミング言語を使用し、ソフトウェアの機能を実装します。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、大量のデータを効率的に管理・運用するためのデータベースシステムの設計や構築、保守を行います。Oracle、MySQL、PostgreSQLなどのデータベース管理システムに精通している必要があります。
ユーザーインターフェース(UI)デザイナー
UIデザイナーは、ソフトウェアやアプリケーションの使いやすさや見た目を設計します。ユーザー体験(UX)を重視し、直感的で魅力的なインターフェースを作り出します。
インターネット
インターネット関連の職種は、Web技術の進化とともに多様化しています。
Webデベロッパー
Webデベロッパーは、ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発を行います。フロントエンド(HTML、CSS、JavaScript)やバックエンド(PHP、Ruby、Pythonなど)の技術を駆使して、動的なウェブサービスを構築します。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、AWSやAzure、Google Cloud Platformなどのクラウドプラットフォームを活用したシステム設計や構築、運用を担当します。スケーラビリティや可用性の高いインフラ環境を実現します。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、ネットワークやシステムのセキュリティ対策を担当します。サイバー攻撃からの防御、脆弱性診断、セキュリティポリシーの策定など、情報セキュリティに関する幅広い業務を行います。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビッグデータの分析や機械学習モデルの構築を行い、ビジネス上の意思決定をサポートします。統計学や数学の知識と、Pythonや R などのプログラミングスキルを駆使して、データから価値を引き出します。
通信
通信分野では、ネットワークインフラの構築や運用に関わる職種が重要です。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業や通信事業者のネットワークインフラの設計、構築、運用を担当します。ルーターやスイッチの設定、トラブルシューティング、ネットワークの最適化などを行います。
無線通信エンジニア
無線通信エンジニアは、5GやWi-Fiなどの無線通信技術に特化したエンジニアです。基地局の設計や電波伝搬の解析、通信品質の改善などを行い、モバイル通信の発展に貢献します。
IoTエンジニア
IoTエンジニアは、センサーやデバイスからデータを収集し、クラウドと連携させるIoTシステムの開発を行います。組み込みソフトウェアの開発や、デバイス間の通信プロトコルの設計などを担当します。
通信インフラ設計エンジニア
通信インフラ設計エンジニアは、光ファイバーネットワークや衛星通信システムなど、大規模な通信インフラの設計を行います。伝送路の設計や容量計画、信頼性設計などを担当し、高速で安定した通信環境の実現に貢献します。
これらの職種は、技術の進化とともに常に変化しています。AI、ブロックチェーン、量子コンピューティングなど、新たな技術分野においても、専門性の高い職種が次々と生まれています。通信・ソフトウェア業界で活躍するためには、継続的な学習と技術のアップデートが不可欠です。
サービス・インフラのトピックス
5Gの普及と6Gの開発
通信業界では、5Gの普及が急速に進んでいます。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの大手通信事業者が5Gサービスを展開し、高速・大容量・低遅延の通信環境を実現しています。これにより、IoTデバイスの接続性が向上し、スマートシティやコネクテッドカーなどの新たなサービスが可能になっています。
同時に、次世代通信規格である6Gの研究開発も進んでいます。日本政府は2030年頃の実用化を目指しており、産学官連携のもと、テラヘルツ波通信や量子通信などの先端技術の開発が行われています。
クラウドコンピューティングの進化
クラウドサービスの需要が急増しており、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどの大手クラウドプロバイダーが日本市場でのシェア拡大を図っています。同時に、日本の企業もクラウド事業に注力しており、富士通、NEC、日立製作所などがハイブリッドクラウドソリューションを提供しています。
エッジコンピューティングの重要性も高まっており、IoTデバイスの近くでデータ処理を行うことで、レイテンシの低減やセキュリティの向上を実現しています。
AIとビッグデータの活用
人工知能(AI)とビッグデータ分析の技術が急速に進歩し、様々な産業で活用されています。特に、自然言語処理や機械学習の分野で大きな進展が見られ、チャットボットや予測分析ツールなどの実用化が進んでいます。
日本のAI企業も台頭しており、Preferred Networks、ABEJA、ALBERTなどのスタートアップが注目を集めています。また、大手IT企業も積極的にAI事業に参入しており、ソフトバンクグループやNTTデータなどが独自のAIソリューションを展開しています。
サイバーセキュリティの強化
デジタル化の進展に伴い、サイバー攻撃の脅威が増大しています。日本政府は「サイバーセキュリティ戦略」を策定し、官民一体となってセキュリティ対策を強化しています。特に、重要インフラや中小企業のセキュリティ強化が課題となっており、トレンドマイクロやカスペルスキーなどのセキュリティベンダーが新たなソリューションを提供しています。
また、ゼロトラストセキュリティの考え方が浸透しつつあり、従来のペリメターセキュリティから、常に認証と承認を必要とするモデルへの移行が進んでいます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速
企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速しており、業務プロセスのデジタル化やデータ駆動型の経営が求められています。日本政府も「デジタル庁」を設立し、行政のデジタル化を推進しています。
DXの推進に伴い、クラウドネイティブ開発やマイクロサービスアーキテクチャの採用が増加しており、コンテナ技術やKubernetesなどのオーケストレーションツールの需要が高まっています。
オープンソースソフトウェアの台頭
オープンソースソフトウェア(OSS)の活用が進んでおり、多くの企業がOSSを基盤とした開発を行っています。特に、Linux、Docker、Kubernetes、TensorFlowなどのOSSが広く採用されています。
日本でも、OSS Consortiumなどの団体が活動しており、OSSの普及と人材育成に取り組んでいます。また、企業のOSS貢献も増加しており、トヨタ自動車やNTTグループなどが積極的にOSS開発に参画しています。
IoTとスマートデバイスの進化
Internet of Things (IoT)の普及により、あらゆるモノがインターネットに接続される時代が到来しています。スマートホーム、ウェアラブルデバイス、産業用IoTなど、様々な分野でIoT技術が活用されています。
日本では、ソニーやパナソニックなどの電機メーカーがIoT製品を展開しており、同時にNTTコミュニケーションズやKDDIなどの通信事業者がIoTプラットフォームを提供しています。また、製造業におけるIoT活用も進んでおり、ファナックやオムロンなどが「スマートファクトリー」の実現に向けた取り組みを行っています。
量子コンピューティングの進展
量子コンピューティングの研究開発が世界的に加速しており、日本でも産学官連携のもと、量子技術の開発が進められています。富士通、NEC、日立製作所などの大手IT企業が量子コンピュータの開発に取り組んでおり、金融、創薬、物流最適化などの分野での活用が期待されています。
また、量子暗号通信の実用化も進んでおり、東芝や日本電気(NEC)が量子鍵配送(QKD)システムの開発を行っています。これにより、将来的には量子コンピュータによる解読が不可能な超安全な通信が実現される可能性があります。
ブロックチェーン技術の応用
ブロックチェーン技術の応用が金融以外の分野にも広がっています。サプライチェーン管理、デジタル資産管理、行政サービスなど、様々な分野でブロックチェーンの活用が検討されています。
日本では、ビットコイン取引所の規制強化が進む一方で、企業向けのブロックチェーンソリューションの開発が活発化しています。三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループなどの金融機関が独自の仮想通貨やブロックチェーンプラットフォームの開発を進めています。
次世代ユーザーインターフェースの開発
VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの技術を活用した次世代ユーザーインターフェースの開発が進んでいます。これらの技術は、ゲーム、教育、医療、製造業など幅広い分野で応用が期待されています。
日本企業でも、ソニーのPlayStation VRやキヤノンのMREAL(複合現実ヘッドセット)など、独自のVR/AR製品を開発しています。また、スマートグラスやホログラム技術の研究も進んでおり、将来的には従来のスマートフォンに代わる新たなインターフェースとなる可能性があります。
エコシステムとプラットフォーム経済の発展
デジタルプラットフォームを中心としたエコシステムの構築が進んでおり、様々な業界で垂直統合型のビジネスモデルから水平分業型のエコシステムへの移行が見られます。特に、モビリティ、ヘルスケア、金融などの分野でプラットフォーム化が進んでいます。
日本では、トヨタ自動車のMaaSプラットフォーム「MSPF」や、ソフトバンクグループのIoTプラットフォーム「SoftBank IoT Platform」など、大手企業がプラットフォーム事業に参入しています。また、スタートアップエコシステムの育成も進んでおり、政府主導の「J-Startup」プログラムなどが実施されています。