インターンシップのエントリーシートは就活生の多くが悩むポイントです。本記事では、エントリーシートの基本的な書き方から、企業が重視するポイント、よく聞かれる質問項目、作成時の具体的なコツまでを徹底解説します。また、企業がエントリーシートを求める3つの理由と、提出時に気をつけたいマナーについても詳しく説明しています。この記事を読めば、企業の採用担当者に自分をしっかりとアピールできるエントリーシートの書き方が分かります。
企業がエントリーシートの提出を求めるワケ
インターンシップにおけるエントリーシートは、企業が学生を選考する際の重要な判断材料となります。企業は限られた時間と人材で、数多くの応募者の中から自社に合った人材を見極める必要があるためです。
学生の意欲や熱意を確認したいから
エントリーシートは、学生の企業に対する興味や熱意を測る重要なツールです。志望動機や自己PRを通じて、どれだけ企業研究をしているか、どのような意欲を持っているかを確認することができます。
特に、丁寧な文字で記入されているか、誤字脱字はないか、提出期限は守られているかなど、基本的なビジネスマナーも同時にチェックすることができます。これらの点から、学生の仕事に対する真摯な姿勢を読み取ることができるのです。
優秀な学生を見極めて採用したいから
企業は将来の採用を見据え、インターンシップを通じて優秀な人材の早期発掘を目指しています。エントリーシートでは、学業成績だけでなく、部活動やアルバイト、ボランティア活動などの課外活動における実績や、それらを通じて得た経験や学びを確認することができます。
特に、目標達成に向けてどのように行動したか、困難にどう対処したかなど、具体的なエピソードから学生の問題解決能力やリーダーシップ、コミュニケーション能力を評価することができます。
自社とマッチした人材を採用したいから
企業は自社の企業理念や価値観に共感し、組織文化に馴染める人材を求めています。エントリーシートを通じて、学生の価値観や将来のキャリアビジョンを確認し、自社との相性を見極めることができます。
例えば、チャレンジ精神を重視する企業であれば、新しいことに積極的に挑戦してきた経験を持つ学生を、顧客志向の強い企業であれば、接客やサービス業での経験がある学生を評価する傾向にあります。このように、エントリーシートは企業と学生のミスマッチを防ぐ重要な役割も果たしているのです。
インターンシップでエントリーシートを書くための準備
インターンシップのエントリーシートを書くためには、適切な準備が必要です。ただ闇雲に書き始めるのではなく、以下の準備をしっかりと行うことで、より質の高いエントリーシートを作成することができます。
エントリーシートとは?
エントリーシートは、就職活動やインターンシップの選考において、企業が学生に提出を求める応募書類です。履歴書と似ていますが、より詳細な自己PRや志望動機を記入する必要があり、企業ごとに独自の設問が設けられています。
一般的なエントリーシートには、基本情報の他に、志望動機、自己PR、学生時代に力を入れたこと、将来のビジョンなどの記入欄があります。これは企業が応募者の人物像や考え方を把握するための重要なツールとなっています。
業界研究と企業研究
エントリーシートを作成する前に、志望する業界と企業について徹底的な研究を行う必要があります。具体的には以下の項目について調査します:
・業界の市場規模や成長性
・主要企業の特徴や強み
・最新のトレンドや課題
・志望企業の企業理念や価値観
・企業の主力商品やサービス
・企業の歴史や社風
・企業の将来ビジョン
これらの情報は、企業のウェブサイト、IR情報、就活情報サイト「マイナビ」「リクナビ」、ニュースサイト、業界専門誌などから収集できます。
自己分析と「強み」や「弱み」
自己分析は、エントリーシート作成の重要な土台となります。具体的には以下の項目について深く掘り下げて考えます:
・学生時代に打ち込んだこと(部活動、サークル、アルバイト、学業など)
・これまでの経験で得た成功体験や失敗体験
・自分の価値観や大切にしていること
・自分の性格や行動特性
・他者からの評価や周囲からよく言われること
自己分析では、単なる事実の列挙ではなく、その経験を通じて何を学び、どのように成長したのかを明確にすることが重要です。具体的なエピソードとともに、自分の強みや弱みを言語化できるようにしましょう。
就職支援サービス「マイナビ」「リクナビ」などが提供する自己分析ツールや、大学のキャリアセンターで実施されるワークショップなども、効果的な自己分析の手段として活用できます。
これらの準備を通じて、企業が求める人材像と自分自身の特徴や強みを結びつけ、説得力のあるエントリーシートを作成することができます。
企業がエントリーシートでよく聞く質問項目5選
インターンシップのエントリーシートでは、主に5つの質問項目が設けられています。それぞれの項目について、企業が知りたいポイントと記入する際の注意点を詳しく解説します。
①志望動機
志望動機は、企業がもっとも重視する項目の一つです。なぜその企業でインターンシップを受けたいのか、具体的な理由を述べる必要があります。
業界の将来性や企業の強み、企業理念への共感など、企業研究で得た情報と自身のキャリアプランを結び付けて記述しましょう。「御社の技術力に惹かれました」といった抽象的な表現は避け、「環境技術分野における御社の水素エネルギー開発に強く関心を持ちました」というように具体的に書きます。
②インターンシップで学びたい事
この項目では、インターンシップを通じて習得したいスキルや経験を明確に示します。漠然と「営業の仕事を学びたい」ではなく、「法人営業の提案プロセスや顧客との信頼関係構築方法について実践的に学びたい」など、具体的な目標を設定します。
また、そこで得た学びを将来どのように活かしていきたいのかまで言及すると、より説得力のある内容になります。
③自己PR
自己PRでは、自分の強みとそれを裏付けるエピソードを記載します。学生時代の経験から得た能力や、アルバイトでの実績など、具体的な体験に基づいた内容を書きましょう。
例えば、「大学での研究活動を通じて培った論理的思考力」や「アルバイトのシフト管理を任されて身についたリーダーシップ」など、数値や具体例を交えて説明します。
④学生時代に力を入れたこと「ガクチカ」
部活動やサークル、アルバイト、研究活動など、学生時代に打ち込んだ経験について記述します。単なる活動内容の羅列ではなく、その経験を通じて得た学びや成長した点を強調します。
例えば、「体育会のバレーボール部で主将を務め、目標達成のためのチームマネジメントを経験」や「学園祭実行委員長として300人規模のイベントを成功に導いた」など、具体的な成果も含めて記載します。
⑤長所や短所
長所は自己PRと重複しないよう注意が必要です。また短所は、その克服に向けた取り組みや、短所を長所に変える工夫について言及することが重要です。
長所の例として「どんな状況でも最後まで諦めない粘り強さ」、短所の例として「完璧を求めすぎる傾向があるため、To-Doリストで優先順位をつけて効率的に行動するよう心がけている」といった具合です。
これらの質問項目に答える際は、必ず具体的なエピソードを交えながら、企業の求める人物像を意識して記述していくことが重要です。また、文字数制限を確認し、簡潔かつ要点を押さえた文章を心がけましょう。
インターンシップのエントリーシートを書く時のポイントとコツ
結論から書く:読む側にまず言いたいことを伝える
人事担当者は多くのエントリーシートに目を通すため、最初の文章で興味を引くことが重要です。「私は御社のインターンシップに参加することで、商品企画の実務を学びたいと考えています」というように、まず結論を述べましょう。その後に理由や詳細を展開することで、読み手に伝わりやすい文章となります。
具体的なエピソードを書く:きっかけから思いをしっかり伝える
「学生時代に塾講師のアルバイトを経験し、100人以上の生徒を指導してきました」というように、数字を用いて具体的に記述することが効果的です。また、「その経験から、人材育成に興味を持ち、御社のインターンシップに応募しました」と、エピソードと志望動機を結びつけることで説得力が増します。
今後について書く:具体的にやってみたいことを伝える
「インターンシップでマーケティングの基礎を学んだ後、秋学期の専門ゼミで実践的な市場調査を行いたいと考えています」など、インターンシップでの学びをどのように活かすのかまで言及すると良いでしょう。将来のキャリアプランとの関連性も示すことができれば、より説得力のある内容となります。
8割以上は本文をしっかり埋める
文字数の制限がある場合、その8割以上を目安に記入することをおすすめします。例えば400字の制限であれば、320字以上は書くようにしましょう。
本来、しっかりした動機やエントリーの思いがあれば、文字数制限一杯では書ききれないものです。そのため、文字数が少ない場合、薄い内容に感じるとともに、そこまでの思いはないのかなと感じてしまい、企業側としては選考に通したいと思うことはありません。
そのため、少なくとも8割程度はしっかり埋めて、自分の思いを伝えるようにしましょう。ただし気になるポイントして、文字数を埋めなければいけないという感覚から、単なる文字埋めをしていると思われるケースが見受けられますが、そのような方法は避け、意味のある内容を簡潔に記述することが重要です。
周りの人にチェックをしてもらう
キャリアセンターの職員や、就職活動を経験した先輩、ゼミの教授など、第三者の目でチェックしてもらうことが大切です。特に、文章の論理性や説得力について、客観的な意見をもらうことで、より質の高いエントリーシートに仕上げることができます。
書いたら読み直す:誤字・脱字、流れに違和感がないか確認
完成したエントリーシートは、最低でも一日置いてから読み直すことをお勧めします。時間を置くことで、新鮮な目で文章を見直すことができ、誤字・脱字だけでなく、文章の流れの不自然さにも気付きやすくなります。また、Microsoft WordやGoogleドキュメントなどの校正機能も活用すると良いでしょう。
エントリーシートで忘れたくないマナー
エントリーシートを提出する際は、書類選考の第一印象を左右する大切なマナーがあります。企業への印象を良くするためにも、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
写真は3ヶ月以内のものを利用する
エントリーシートに添付する証明写真は、必ず3ヶ月以内に撮影したものを使用します。古い写真を使うと、現在の容姿と異なる可能性があり、企業側に誠実さに欠ける印象を与えかねません。就活用の証明写真は、キタムラやスタジオアリスなどの写真館で撮影することをお勧めします。
写真を撮る時は正装・清潔感のある髪型で
証明写真撮影時は、リクルートスーツを着用し、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。女性の場合は、髪の毛が顔にかからないようにまとめ、ナチュラルなメイクを心がけます。男性は、清潔感のある短髪で、髭は剃りましょう。
アクセサリーは控えめにし、派手な色のネクタイやスカーフは避けます。背景は一般的な白や青を選択し、就活用の証明写真としてふさわしい印象を与えることが重要です。
封筒などにはきれいに封入する
エントリーシートを郵送する場合は、角形2号の封筒を使用します。書類は折り曲げずに入れ、封筒の表面には宛名を正確に記入します。差出人の住所と名前も忘れずに記載しましょう。
宛名書きは黒のボールペンを使用し、文字は丁寧に書きます。封をする際は、のりしろをしっかりと貼り、封筒の端が開いていないか確認しましょう。
締め切りは厳守する
エントリーシートの提出期限は必ず守りましょう。締め切り直前の提出は、予期せぬトラブルで間に合わなくなるリスクがあります。余裕を持って、できれば締め切りの1週間前には提出できるよう準備を進めることをお勧めします。
郵送の場合は、配達日数を考慮し、締め切り日の3日前までには投函するようにしましょう。Web提出の場合も、システムトラブルに備えて早めの提出を心がけます。
これらのマナーを守ることで、企業に対する誠実さと熱意が伝わり、書類選考を通過する可能性が高まります。形式的な部分で減点されないよう、細心の注意を払いましょう。
まとめ|エントリーシートの書き方
インターンシップのエントリーシートを書くときは、企業が求める3つの観点(意欲・熱意、優秀な人材、マッチング)を理解することが大切です。
まずは業界研究と自己分析をしっかりと行い、そのうえで志望動機や学びたいことを具体的に記述しましょう。文章は結論から書き始め、具体的なエピソードを交えながら8割以上の文字数を目安に記入します。
写真は3ヶ月以内のものを使用し、正装で撮影するなどのマナーも重要です。最後に誤字脱字のチェックを行い、締め切りには余裕を持って提出することを忘れないようにしましょう。
エントリーシートは企業との最初の接点となる大切な書類です。しっかりと準備をして、自分の魅力を存分に伝えられるよう心がけましょう。