「企業より職業!」就職活動で本当に大切なのは、自分に合った職業を選ぶこと。
この記事では、自己分析から始まる適職の見つけ方、職種別履歴書のコツ、面接での志望動機の伝え方まで、具体的な就職戦略を解説します。
1. 職業を中心に考えた就職活動こそ明るい未来への第一歩
職業選びは、企業を選ぶこと以上に、自分の将来を左右する重要な決断です。
企業を選ぶ前に、どの職業に就くかを考えることは、長期的視点でのキャリア形成において不可欠となります。
職業は単に収入を得る手段ではなく、自分の強みを発揮しやりたいことをやるためには、重要であり、同時に自己実現という点でも大きな意味を持ちます。
1.1 なぜ企業ではなく職業が重要なのかをしっかり解説
人生の大部分を費やす仕事というものは、個人のアイデンティティを形成するほど影響力があります。
同じ仕事をするのであれば、自分に適した職業に就くことで、仕事の満足度が高まり、生活の質も向上します。
長期的な視点からみて、職業選びはこれからの人生を幸福にするため、その選択には慎重に、かつ冷静に見るようにしましょう。
むしろ、自身の能力を発揮できるフィールドではないため、結果を出すことがより難しくなるとともに、毎日やりがいのない日々を過ごすことになってしまいます。
1.2 企業選びと職業選びのの根本的な違いと理解
にもかからわず、多くの人は自分に適性のある仕事ではなく、有名企業や上場しているからといった企業名や、業界、華やかなイメージに目が行きがちです。
しかし、現在は一つの不祥事で会社の信用がなくなったり、場合によっては倒産もあり得ます。また、どれだけ働きたいと思っても、リストラされるかもしれません。
これからの時代は、会社に守られる時代ではなく、自分のキャリアを職業によって築き上げ、高い所得ややりがいを得ていく方法が最も必要であり、キャリア形成においては職業選びの方が優先されるべきです。
仮に、職業はあっても、企業がブラックだから転職したいという場合であっても、職業はその人の専門性を示すものであり、転職をしても引き続きその経験を活かせる可能性が高いからです。
1.3 キャリア形成に不可欠な未来を見据えた職業選び
現時点で安定した仕事に就くより、将来の変化を見据えた職業を選ぶことで、安定したキャリアを築くことにつながります。
時代の流れと共に需要が変動する業界や職種を把握し、持続可能な専門性を身に付けることで、世の中が変わっても、自身の市場価値は下がらないからです。
そのために、未来に渡って求められるスキルを考慮した職業選びが求められます。
もし、今後のキャリアを考えずに、仕事をしていた場合、40歳を過ぎてくると転職市場の価値は下がり、転職が難しくなっているとともに、その年齢で未経験を選ぶことの難易度は想像以上に高いことになるからです。
そのためにも自分の10年後、20年後を見据えて仕事や職業を選ぶ必要があります。
2. 自己分析で見つけるあなたに合った職種
自己分析は就職活動において最も重要なステップです。自分自身の強み、弱み、価値観や興味を理解することで、適した職種を見極めることができるからです。
自己分析を行うことで、就職先を企業の名前や規模で選ばなくなり、自分に合致したキャリアを築くための一歩として、従事する仕事を選択するようになります。
2.1 役に立つ自己分析のと適性の理解と方法
自己分析を始めるには、自分の過去の経験やこれまでの活動を振り返ることから始めましょう。
さまざまな自己分析ツールや診断を活用して、自分の性格や適性を理解することも有効です。
具体的には、SWOT分析やキャリアアンカーなどのツールを使用して、自身のスキルや価値観、興味がどの職種に合致するか見極めていきます。
2.2 価値観や興味に基づいた職種の選定
自己分析において、個人の価値観や興味は非常に大切です。これらをもとに職種を選定することで、仕事の満足度が高まり、長期的にキャリアを続けることが可能になります。
例えば、対人関係を重視する人は営業や接客業に、自然と触れ合うことが好きな人は環境関連の仕事に向いているかもしれません。
また、自分の過去を振り返り、面白かったことを振り返るようにするのも、自己分析には重要です。
その際には、勉強が好きなどその事象ではなく、勉強で難しい問題を考えてわかった瞬間が好きなどの、自分がやっていることに対してフォーカスするだけで、やりたいことが見やすくなります。
2.3 スキルと適性を活かす仕事探し
過去の経験や持っているスキルを棚卸しして、どのような職種でそれらを生かせるかを考えましょう。
また、自己分析を通じて見つかった適性を有効活用することも重要です。
適性に合った仕事をすることで、仕事の効率も上がり、職場での成功が期待できます。
・スキルの棚卸し
具体的にスキルを棚卸する際には、ハードスキルとソフトスキルに分けて考えると良いでしょう。
ハードスキルは、PC操作能力や語学力のように、明確に証明できる技能です。
ソフトスキルは、コミュニケーション能力や問題解決能力といった、柔軟性が求められる能力を指します。
・適性を知るためのツール
適性を知るためには、キャリア診断テストや性格診断テストを活用すると良いでしょう。
日本国内でよく知られているマイナビーやリクナビ、ビジネス系の性格診断であるDISC評価なども参考になります。
3. 職種別就職市場の調査方法
自分の付きたい仕事はわかった!
でも、その仕事はどの程度需要があるのか、今後どうなっていくのか不安に感じる方は、職種毎に需要が異なる動向を的確につかむための調査方法を紹介します。
詳細な情報を掴むことで、感覚だけに捕らわれずに客観的にその仕事を見つめなおしてみることも今後のキャリア形成のポイントです。
3.1 労働統計と職種別需要
労働市場の状況理解の第一歩として、政府の労働統計をチェックしましょう。
ここでは厚生労働省が提供する「求人・求職状況統計」などが役立ちます。
また、日本経済研究センターが発表している「職業別求人倍率」も参考になります。
3.2 成長業界での職種の探し方
次世代産業や成長が見込まれる業界を狙っていますか?例えば、IT業界やヘルスケア業界では、絶えず新しい職種が生まれています。
経済産業省が発表する「産業構造ビジョン」や「新産業構造ビジョン」などを調べることで、これらの業界の概要と可能性を把握することができます。
3.3 インターネットとSNSを活用した情報収集
インターネットを駆使して最新の情報を得ることは、現代の就職活動では必須です。
多くの企業がTwitterやLinkedInなどのSNSで最新情報を発信しています。
また、Indeedやマイナビ、エン転職などの求人サイトでは、職種別の求人動向が反映されています。
キーワード検索や求人アラート設定を活用して、自分の分野に特化した情報を集めましょう。
4. 職種に特化した履歴書・職務経歴書の書き方
就職活動において、履歴書と職務経歴書は自分をアピールする重要なツールです。
特に、職種に特化してこれらの書類を書くことで、採用担当者にあなたの熱意と適性が伝わりやすくなります。具体的な書き方について、以下で詳しく解説していきます。
4.1 職種に対する志望動機の明確化
履歴書において志望動機は特に重要な項目です。あなたがなぜその職種を選んだのか、どのようにしてその職種に情熱を持つに至ったのかを明確に述べます。
企業研究を徹底的に行い、自分のキャリアビジョンを具体的な職種と結びつけることで、採用担当者への訴求力を高めることができます。
以下にも記載していますが、自分の向いている職業というものを書いても、それだけで採用担当者はわかりません。
その向いている職業が本当に向いているのか、また将来どうなっていたいのか、どうしたいのかを説明することで、聞き手としてはより具体的に未来を描きやすくなります。また、多くの学生さんは、未来については語ることは少ないため、違った印象を持ってもらうことにもつながります。
さらには、定番ワードとして「貴社に貢献します」ということだけで、実際に自分がどうなりたいのかが抜けていることが多いということも、ポイントに志望動機を考えてみてください。
4.2 職種に即した経験とスキルのアピール方法
職種に合ったスキルや経験をしっかりとアピールするには、自分のこれまでの経験を振り返り、どのような点がその職種に活かせるのかを考えて、頭の中で整理しましょう。
たとえば、販売職への応募の際は、コミュニケーション能力や顧客対応経験を前面に出して書くと良いですし、どういうところが強みになっているのかをポイントとして考え、説明できるようになるとより良くなります。
自分が向いていると感じているとか、人と話すのが好きだから、という理由で営業が良いと話をされる学生も多いですが、それだけでは面接官にとってはよくわかりません。
どちらかというと、自分の未来はこうなっていたいという思いがあって、かつこういう強みがありそれが販売職にマッチしている、さらにはその具体的な体験談はこう、という話の流れがあった上で、この職業に従事したい。ということをアピールするようにしてください。
自分がその職業に強みがあるかどうかは、自分しか結局は本当の意味で解りません。
いわば、会社を志望している人は、皆自分が向いているとアピールしているため、わからないということです。
4.3 業界研究を生かした自己PRポイント
履歴書や職務経歴書に記載する自己PRは、あなたの魅力や強みを企業側に最初に知っていただく重要な項目になります。
自分自身の強みが、働きたい企業や職業においてどのように役立つのか、また自分の好きなことが、行きたい業界や企業または職種でどのように役立つのかを、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。その上で、業界研究で得た情報とやりたいことがリンクしていることで、より具体性を持ったアピールにつながります。
ただ、ここで注意点として挙げられるのは、業界研究によって、得た知識を並べ、社会に必要とされるとか貢献したいとか抽象的な話で終わらせる人が非常に多いですが、実際に業界研究は、あくまで自身が就きたい仕事を探すためであり、自己PRに記載するためではありません。
自分がやりたいことは何なのか、どういう風な仕事をしたいのかを明確にした結果、その業界が当てはまるということを忘れずにしてください。一言でいえば、業界に自分のやりたいことを強引に合わせないということです。
5. 面接での職種選びへの熱意の伝え方
面接はあなたが就きたいと思っている職業に対する熱意を伝える絶好の機会です。
面接での面接官との対話は、単に質問に答えること以上の意味を持ち、あなたのキャリアビジョンや仕事への本気度をアピールするために重要です。
5.1 面接における職種へのこだわりの表現
面接では、あなたが特定の職種を選んだ理由やそれに込める情熱をしっかりと表現することが求められます。
具体的な経験や実績を元に、その職種で活躍できる自信と実力をアピールしましょう。
また、該当職種に関する最新の業界動向や技術革新について語れるようにしておくことで、職種への深い理解と興味をアピールできます。
5.2 将来ビジョンと職種のマッチング
面接官はあなたのキャリアプランを聞き、どの程度本気で考えているのか、やりたいと思っているのかを聞き出してきます。
目指す職種での将来像を明確に持ち、それを論理的かつ情熱的に伝えることができれば、面接官への信頼感を高めることができるでしょう。
自分の長期的なキャリア目標と希望する職種がどのように一致しているかを示せるように準備しておくことがポイントです。
単に、向いている職業、やりたい職業という説明だけでは、全員が面接で言っているため、意味がないどころか、本気度が感じられないとマイナス評価になることもあります。
そうならないように、未来にどうなっていたいのか、どうしたいのかをしっかりと、具体的に伝えることが大事です。
5.3 質問されやすい業界・職種に関するポイント
気になることとして、業界や業種特有の質問、職種について、面接官から質問された場合、どうしたらいいか?というのがあります。
まず、少なくとも面接官の方が、同じ業界や業種における情報を学生以上に持っているため、聞きかじった知識で説明しても、知識がそこまでないことはすぐに見抜かれてしまいます。
自分が関心を持っている職種や業界や業種について最新の情報を持ち、専門的な知識を示すことで、その職種に真剣に取り組む姿勢をアピールできます。
一方、実際に働いていないのですから、知ったふりをせず、知らないものは知らないときちんと答えると共に、知らないから教えてほしい。という姿勢を見せることが好印象につながります。
6. 就職活動におけるメンタルマネジメント
就職活動は精神的にも体力的にも大変であり、希望する企業から内定をもらえた等であれば問題ないですが、うまくいかない時は不安や悩みなどが増幅してしまい、気持ちの整理がつかないこともあるでしょう。
その不安を乗り越え、希望の職業に就けるよう、ここでは必要なメンタルマネジメントのテクニックや考え方を紹介します。
6.1 長期戦を有効活用した就職活動戦略
準備万端で挑んだにもかかわらず、思うように内定を獲得できない場合、焦りや不安が生じがちです。
長期戦になることを前提とした戦略を立て、一時的な挫折に動じない心の準備をしておく必要があります。
受かりたいと思えば思うほど、うまくいかないことも多いものです。
やるだけやってダメなら仕方ない!と割り切ることも大事ですし、自分を採用しない企業はダメでしょ!くらいに強気な気持ちで臨むとうまくいくものです。
また、長期間にわたり就職活動に臨み、自分にマッチした職業を探すという気持ちで取り組めば、精神的な負担が減るため、気長に取り組もうと頭を整理して臨むようにしてください。
6.2 落ち込みを乗り越えるコツと自分と合う企業との出会い
面接で失敗したり不採用の通知が続くと、自信を大きく損なってしまい、不安になってしまうものです。
落ち込みを乗り越えるためには、失敗を糧に変えるポジティブな思考と、自己肯定感を保つための具体的な行動が求められます。
一つの考えとして、受かることを念頭に置くがために、きれいな言葉やそつなく伝えようとすることで、ミスを軽減しようと考えてしまいがちですが、本当に大事なことは自分らしく伝えることであり、綺麗に伝えることではありません。
また、自分らしく伝えた結果、仮に不採用なのであれば、むしろラッキーです。
なぜなら、素の自分で臨んだ結果、考え方が合わない会社に入社したら、その企業で活躍したり、キャリアアップできるでしょうか。普通に考えて、入ってから不幸になる可能性が高まることになります。
取り繕った自分でいないといけない会社にいたい人はいないですし、そう考えれば、自分らしさを忘れずに、就職活動に臨むことの重要性がわかります。
自分らしく本気で伝えて、落ちたのであれば、最初から行かないほうが良かった会社だと割り切ってください。
6.3 自分に合った職種探しに必要なサポート体制の構築と利用方法
就職活動を支える環境を整えることも重要です。家族や友人、キャリアセンターのカウンセラーなど、心の支えとなる人たちとのコミュニケーションを大切にしましょう。
また、専門のサポートを受けることで新たな視点を得られることもあります。
大学の就職支援課などもサポートをしてくれますし、実際に合格した先輩の話なども聞いてみるのも大事です。
特に、有名企業に入った人は、多くのライバルに打ち勝ってきており、かつ自分なりに就職活動をしてきているので、参考になる部分は多く、大事なポイントを知るきっかけになります。
7. 自分に合った職種の見つけ方まとめ
自分のキャリアを考えるにあたって、大事なことは企業を選ぶことではなく、職種を見極めることが重要なポイントです。
実際に職業を探すときには、自分が楽しかった時、やりがいがあった時など、過去を紐解いて振り返ってみましょう。
そのうえで、自分が10年後どうなっていたいのか、その職業がどうなっているのかを考えることで、よりキャリア形成につながる企業を選ぶことができます。
実際の就職活動においては、自分が将来どうなりたいのかというキャリアを明確に語ることで、より自分に合った企業に入社しやすくなります。
そのためにも、徹底的に自己分析と市場調査を行い、最適な職種を選択するようにしてください。